ネットワークビジネスとねずみ講の違いが、非常にわかりにくいとよくお問合せや質問をいただきます。
世間的には、ネットワークビジネス = ねずみ講と認識されている場合がほとんどです。

勘違いされる原因は、ネットワークビジネスとねずみ講のビジネスモデルが非常に似ている為に勘違いされやすいのです。
さらに、このような勘違いを社会に定着させてしまったネットワークビジネスの事件が過去にあります。
これらを含めてネットワークビジネスとねずみ講の違いを解説していますのでどうぞ参考にしてください。
この記事の目次
ねずみ講とは?
ねずみ講という言葉の由来は、和算の一つである「ねずみ算式」と、ある目的のために集まった集団「講」から来ています。
ねずみ講とは金銭目的で人を勧誘し、マネーゲーム的な集金システムを悪用した詐欺と言えます。
会員が、新たな会員を勧誘して集金し、次から次へと、ねずみ算式に新たな会員を勧誘して集金するという事を繰り返す金品目的だけの団体の事を意味します。
集金した金銭の利益は、その団体の創業者と一部の上位陣で山分けされ、後から会員になった人ほど、もうけが少なくなるという内容なのです。

人口が有限である以上、最後に会員になった人は、既に人口の全てが会員となっている為に勧誘できない。
その為、新規会員から集金できなくなり、その結果、会員登録費用を支払っただけで、丸々大損するという事になるのです。
ポイント
ねずみ講とは、初めから、人口が無限でないと成り立たない集金システムであり、永久に新規会員を勧誘し続けないければ、成り立たないのです。現実的に無理なシステム。
上記図は、ねずみ算式に会員数が増加した場合の図です。
ねずみ算式に1ヶ月毎に増加すると考えると、10ヶ月後には、日本人口を超える事になります。
そして12ヶ月後には、遥か世界人口を超えてしまうのです。これは、あくまでもねずみ算式に計算した例であり、現実にはこの様に増加する事はありません。
実際に日本でねずみ講で大事件になった「天下一家の事件」では、12年間で、集まった会員数は112万人でした。
ねずみ講は、金品のみのやり取りで、ねずみ算式に、会員が増え、簡単に人口数を超えてしまう事から、「無限連鎖講」と呼ばれるようになったのです。
1979年に、無限連鎖講防止法(ねずみ講防止法)が施行され、ねずみ講は、違法となりました。
ネットワークビジネスとは?
ネットワークビジネスは、「ネットワークマーケティング」「マルチレベルマーケティング(MLM)」「マルチ商法」「連鎖販売取引」と様々な名前がありますが、全て同じネットワークビジネスを意味しています。

ポイント
マルチ商法 = 違法ではなく、合法ビジネス
マルチまがい(悪徳マルチ)商法 = 違法なのです。
ネットワークビジネスが、ねずみ講と主に違う点
- 金品目的ではなく、消費を主とし商品流通を目的としているビジネスである。
- 一般的なスーパーやコンビニなどの店舗販売と同じく商品流通と消費目的のビジネスなのである。
- あくまでも、商品を販売して、その結果として、報酬(お金)がもらえるという事である。
ねずみ講は、勧誘して新規会員を集めるのに対して、ネットワークビジネスも同じく勧誘活動により新規会員を増やす事を主にしています。
決定的に違っている点
システム的には、ねずみ講もネットワークビジネスも非常に似ていて、一般の人が見ても見分けがつきにくいのですが、決定的に違うのは報酬のシステムが全く違うのです。
それは、ねずみ講は、先に始めた者勝ですが、ネットワークビジネスは、ビジネスを始めた時期が、先か後かは関係が無く、頑張って結果を出した者が、高収入を得れるシステムになっているのです。
誰もが平等に評価され、頑張った結果に対して答えてくれる報酬システムになっているのです。
ネットワークビジネスは、特定商取引法に違反しない限り合法ビジネスです!
マルチまがい商法(悪徳マルチ)とは?
マルチまがい商法とは、一見、ネットワークビジネス(マルチ商法)と同じですが、実は、マルチまがい商法で流通している製品は、原価と価値が釣り合わない内容になっているのです。
例えば!
原価100円のサプリメントを5万円で販売している
原価1000円の布団を30万円で販売している
と言ったように、マルチまがい商法は、ぼったくりマルチ商法という内容になっているのです。
一見、商品流通があり、消費を目的とした合法ビジネスの様に見えますが、実態は、原価と商品価値が見合わない、悪質なマルチ商法なのです。
ポイント
結局のところ、マルチまがい商法は、ネットワークビジネス(マルチ商法)のように見せかけていますが、中身は、違法のねずみ講で、法外な利益・金銭目的の違法ビジネスなのです。
ネットワークビジネス(マルチ商法)とマルチまがい商法の見分け方
正直に一般の人では、即座に見分けることは難しいと言えます。怪しいと思ったら、すぐに契約する事や即決などはしないようにしてください。
見分ける為に役立つ、マルチまがい商法の特徴を以下にまとめましたので参考にしてください。
マルチまがい商法(悪徳マルチ)の特徴
特徴
▷ 創業間もない1~5年以内の場合が多い
悪徳商法の為、長年にわたっての経営は、不可である。短期経営・短期集金の様な経営形態
▷ 商品価格が非常に高額
素人が製品を見て、価格が高すぎると気がつくほど高額商品の場合が多い
消耗商品ではなく、耐久商品のケースが多い。
▷ 即決を求められる
高額な価格にもかかわらず、クレジットカードの決済などをせまられる。
▷ ネットワークビジネス売上ランキングに名前が無い会社に注意
売上ランキングに名前がない会社は、創業間もないといえる。要チェックが必要である。
▷ 会社の経営理念や指針が無い
現在のネットワークビジネスのイメージ
ネットワークビジネスは、マルチ商法ですが、違法ビジネスではなく合法ビジネスであることはご理解いただけたでしょうか?
システムが非常に似ている為と、歴史的にネットワークビジネス(マルチ商法) = 悪徳商法というイメージを世間に植え付けてしまった為に、ネットワークビジネスは、ねずみ講と同類にされている場合が多いのです。
さらに、ネットワークビジネスのシステムを利用して現在でも、法外な価格帯で販売するなどの悪徳マルチ商法の横行が後を絶たないことも実際にあります。
まるで、情報社会の現代ならではの、インターネットのハッカーとセキュリティーの、いたちごっこの様です。このように、ネットワークビジネスのイメージは、現在でも悪いままです。
しかし、この様な悪徳マルチの横行が後を絶たないのは、ネットワークビジネスのビジネスモデルが非常に魅力的であり、優秀なシステムであるという事の証明にもなっているのです。
ネットワークビジネス業界だけでなく、他の様々な業界でも、優れた商品やシステムが開発されて、世間に知られる事により、それをもとにして、新たな犯罪が発生するという事が事実起っています。
すでにネットワークビジネスが日本に上陸して、半世紀以上も経っていて、しかも世間的にイメージが悪い業界とされていますが、現在もビジネスチャンスのある業界であることも事実です。
まとめ
ねずみ講とネットワークビジネスに、そして悪徳マルチと、解説してきましたが、これらは非常に似ているビジネスモデルの為、わかりにくく見分けにくいですね。

ねずみ講
ねずみ講の特徴
① 商品が無く、金銭のみの集金システム(マネーゲーム)
② 無限に会員が増え続ける事が前提でないと成り立たない無理なシステム
③ 収入の範囲は、無限であり、早く始めた者勝ちで、後から参加したほど儲からないで、損をする。
④ 無限連鎖講防止法にあたる違法ビジネス
ポイント
ねずみ講は、違法ビジネス
ネットワークビジネス
ネットワークビジネスの特徴
① 商品を流通させ、商品販売により利益・報酬をえる。
② 報酬の範囲は、有限である。
③ ビジネススタートした時期が、早い、遅いは、関係なく、
頑張って結果を出した人が、大きな収入を得る事が出来る。
④ 特定商取引法に違反しない限り合法ビジネス
ポイント
ネットワークビジネスは、マルチ商法であり、合法ビジネス
マルチまがい商法は、悪徳マルチ商法であり、違法ビジネス
ポマルチまがい商法の特徴
① 創業してから1~5年以内の若い会社
② 商品価格が原価と価値が見合わなく非常に高額
③ 即決を求められ、強引な押し売り営業
④ ネットワークビジネス売上ランキングに名前が無い会社が多い
⑤ 会社の経営理念や指針が無い
ポイント
マルチまがい商法は、悪徳マルチであり、違法ビジネス